建設業許可種類
建設業で安全に工事を進めていくには、「建設業許可」と呼ばれる許可の取得が必要です。
建設業許可は29種類に区分され、さらにその中で2種類の「一式工事」と27種類の「専門工事」に分類されています。
「一式工事」では全体的な企画や指揮など、総合的なマネジメントをすることができます。
「専門工事」は、防水工事のみだったり、板金工事だけだったりと各専門分野に特化して工事することになります。
一式工事と専門工事は全くの別物であり、各許可を与えられた種類の工事のみ携わることができるのです。
当社では以下の17種類の建設業許可を取得しております。
建設工事業(一式工事)
建築物を総合的な企画・指導・調整に沿って建設することができます。
各工事の専門分野にて行う必要のないもの、補修や改造・解体の工事も含まれます。
あるいはいくつかの下請業者が施工する大規模な工事もこちらの区分になります。
例示
- 大規模な新築工事・増築工事
- 壁や柱など建築物の主要構造部全体に改修する工事
- 建物の一室を全体的に改造・改修する工事
内装仕上工事業
木材やビニール床タイル、石膏ボード、たたみなどを用いて建築物の内装仕上げを行う工事です。
壁紙や床など内装の仕上げを行います。
例示
- インテリア工事
- 内装間仕切り工事
- 床仕上工事
- ふすま工事
左官工事業
工作物に壁土・モルタル・プラスターなどをこて塗りや吹き付けあるいは貼り付ける工事です。
ただし、防水モルタルを用いた防水工事を実施する場合は、左官工事業または防水工事のどちらかの許可を受ければ施工できます。
例示
- 左官工事
- モルタル工事
- とぎ出し工事
石工事業
石材または石材と類似したコンクリートブロックや擬石の加工・積方により工作物を築造あるいは石材を工作物に取り付ける工事です。
例示
- 石積み工事
- コンクリートブロック積み工事
タイル・れんが・ブロック工事業
れんがやコンクリートブロックなどで工作物を築造する工事です。
あるいは工作物にれんがやコンクリートブロックタイルを取り付け・貼り付けて施工します。
例示
- コンクリートブロック積み工事
- れんが積み工事
- タイル張り工事
鉄筋工事業
建物の構造に応じて、鋼材の加工・接合・組み立てを行う鉄筋工事です。
鉄筋コンクリート構造の建物の中は、鉄筋工事で実施された鉄筋が骨組みとして埋め込まれています。
例示
- 鉄筋加工組立て工事
- 鉄筋継手工事
- ガス圧接工事
ガラス工事業
ガラスを工作物に加工して取り付ける工事です。
窓ガラスや強化ガラスを扱う工事はガラス工事に当てはまります。
また、ガラスフィルムと呼ばれる特殊なフィルムをガラスに貼り付ける工事もガラス工事業です。
例示
- ガラス加工取り付け工事
- ガラスフィルム工事
防水工事業
アスファルトやモルタル、シーリング材などを用いて防水を施す工事です。
ただし、屋根やそのほか外壁の防水塗装をする場合は、塗装工事として実施されます。
防水工事業に含まれるのは、建築系の防水工事のみです。
土木系のトンネル防水工事や建築以外の防水工事は含みません。
例示
- アスファルト防水工事
- モルタル防水工事
- シーリング工事
建具工事業
建物の窓や玄関のドアなどに金属または木製の建具を施工する工事です。
サッシやシャッターの取り付けも建具工事業に当てはまります。
例示
- 金属製建具取り付け工事
- サッシ取り付け工事
- シャッター取り付け工事
- 木製建具取り付け工事
- 金属製カーテンウォール取り付け工事
大工工事業
木材の加工・取り付けで工作物を建築または工作物に木製設備を取り付ける工事です。
大工工事以外にも、型枠工事や造作工事と呼ばれる工事もこの業種に含まれており、木造建築物の補修や取り付け工事も当てはまります。
例示
- 建物の小規模な補修工事(大工工事)
- 木製の工作物を加工・取り付ける工事(型枠工事)
- 建物の内部を施工する工事(造作工事)
とび・大工工事業
鉄骨の組み立てを行う工事や工事で使用する足場の組み立てを行います。
機械に必要な器具・建設に欠かせない資材などの重量物の運搬配置も当てはまります。
とび・大工工事業は種類が多く、そのほか土砂の堀削・盛上げ・締固め、くい打ちやくい抜きまたは場所くいを行う工事もこの区分です。
例示
- 足場等仮設工事
- くい打ち工事
- 土工事
- コンクリート工事
- 地すべり防止工事
屋根工事業
瓦・スレート・金属薄板などの屋根ふき工事です。
板金屋根工事や屋根断熱工事も当てはまります。
ただし、太陽光パネルを屋根に取り付ける際は、屋根工事ではなく電気工事業の許可を取らなければなりません。
例示
- 屋根ふき工事
鋼構造物工事業
形鋼・鋼板といった鋼材の加工・組み立てで工作物を建設する工事です。
鉄骨の製作・加工から組立てまで一貫して行う工事は鋼構造物工事の中でも鉄筋工事に当てはまります。
例示
- 鉄骨工事
- 鉄塔工事
- 石油・ガスなどの貯蔵用タンク設備工事
- 屋外広告工事
板金工事業
金属薄板を加工し、取り付ける工事です。
金属製の付属品を建築物に取り付ける工事もこれに当てはまります。
例示
- 板金加工取り付け工事
- 建築板金工事
塗装工事業
塗装または塗材を吹き付け・塗り付け・貼り付けを行う工事です。
外壁を腐食から保護したり、外観のイメージを変えたりしたい場合によく利用されます。
例示
- 塗装工事
- 布張り仕上工事
- 路面標示工事
熱絶縁工事業
建物の冷暖房設備や発電所・工場などの機械を熱絶縁する工事です。
目的に応じて保温・保冷工事を行います。熱絶縁とは熱が伝わらないようにすることです。
例示
- 冷暖房設備や冷凍冷蔵設備、化学工業設備の熱絶縁工事
解体工事業
その名の通り建物の解体を行います。
平成28年6月1日より、とび・土工工事業から分離された新しい業種です。
ただし、各専門工事業で築造された目的物を解体する工事は解体工事には含まれず、各専門工事業に当てはまります。
例示
- 工作物解体工事